my sweet devil
「今日も来たな」
「うん」
「篤志くん、気に入られたみたいだね」
「ちょっと、行ってくる」
別荘のドアを開けると、愛らしい姿が見える。
「おはよう、篤志くん」
「エリカちゃん。今日も来たんだね」
「うん、篤志くんに会いたくて」
隣の別荘に来ているエリカちゃんは、今5歳らしい。
迷子になってしまったエリカちゃんと、お母さんを探してから気に入られている。
可愛いエリカちゃんには、正直癒されている。
「今日はどこに行きたいの?」
「海!」
「昨日も一昨日も海だったよ?」
「いいの!」
俺はエリカちゃんの手を取ると、歩き出した。
小さくてプニプニのエリカちゃんの手は、芽依の手を思い出させる。
別荘から歩いて5分で海に着く。
「篤志くんは、どうしてここにいるの?」
エリカちゃんの純粋な目に見つめられると、嘘なんてつけない。
俺は、悠にも話していない本心を話し始めた。
「好きな人を、迎えに行く準備をしてるんだ」
*