my sweet devil
コイツはなぜか相当勘が鋭い。
バレたのも、俺が言ったのではない。
コイツが言い当てたのだ。
「篤志ってさ、芽依ちゃんのこと好きだろ」
確か、その時もこのニヤリ笑いをしていた気がする。
俺はコイツにまっすぐ見つめられると、心の中をすべて見透かされている気持ちになる。
だから、コイツに嘘を言っても意味がないと思った。
だから正直に言った。
「あぁ、好きだよ」と。
軽蔑、されると思った。
血は繋がっていないけど、戸籍上は「姉弟」なのだから。
しかし、コイツは優しい瞳をして言った。
「今まで、誰かに言ったことある?」
「……いや」
「そっか。……今まで一人でよく頑張ったな」
不覚にも、涙が出そうになった。
芽依への抑えきれないほどの大きな気持ち
親への罪悪感
不安
すべて一人で背負うのは、確かに少しだけ辛かったから。
「…ありがとう」
俺は驚くほど自然に、そう言っていた。
コイツは元から細い目をもっと細くして笑った。
「全然」
コイツとは一生親友でいよう。
そう決めた瞬間だった。
*