my sweet devil
あいつは香水なんかつけねーからなぁ…
「篤志くん」
「はい?」
「『あっちゃん』って呼んでいい?」
上目遣いで見てくる岡田さん。
岡田さんは可愛いから
他の男ならソッコーで落ちてるんだろうな。
でも俺は、違うから。
それに、『あっちゃん』って呼んでいいのはあいつだけ。
「すみません。そう呼んでいいのは、そのあだ名つけたヤツだけなんで」
言った瞬間、岡田さんは悲しそうな顔をした。
でも、そんなこと気にしてられなかった。
だって、芽依が……
男と喋って顔を赤らめているから。
背が高くて、爽やかな感じ
普通にカッコよくてモテそうな男。
……誰だよソイツ。
芽依はソイツのこと好きなわけ?
はぁ、イライラする。
その時、芽依がこっちを見た気がした。
でも俺はすぐ目を逸らして…
岡田さんに笑顔を向けた。
「俺、教室戻りますね。失礼します」
そして立ち上がる。
岡田さんがついてきた気がしたけど
無視して早足で教室に向かった。
*