my sweet devil
○芽依○
『芽依ちゃんは、アイツから離れないでやって』
悠ちゃんの言葉が頭から離れない。
悠ちゃんは、なにか感じているの……?
「めーいッ」
後ろから私に抱きついてきたのは、親友の加瀬みなみ
私とは違って背が高くて
どちらかというと綺麗な部類に入るみなみには
私しか知らないある秘密があった。
「今日も朝陽知らない女の子といた」
泣きそうに俯くみなみの頭を撫でる。
「大丈夫だよ、みなみ!朝陽の彼女はみなみなんだから、自信持って!」
「うん……だよね」
みなみがニコッて笑ったから、私は心底安心する。
朝陽……みなみの彼氏であり、とても人気のある男の子。
朝陽は野球部で……うちの野球部は結構強かったりするから、厳しくて男女交際禁止。
それに朝陽にはファンクラブとかもあるから、熱狂的なファンも多い。
もしみなみと付き合ってることがバレたらみなみがどうなるかなんて、考えるのも恐ろしい。
朝陽は結構クールで、みなみが不安になることも多い。
……だけど私は知ってる。
今も、朝陽は遠くからみなみを優しく見守ってる。
『恋してる』すぐにそうわかってしまう瞳。
私が朝陽を見て微笑むと、朝陽は私の視線に気付いて、顔を赤くしてそっぽを向いてしまった。
ほんと照れ屋だなぁ……
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