my sweet devil
『そういうわけだから』
そ、そういうわけだからって言われても……
『好きな人とはどうなの?両想い?片想い?』
『片想い、だけど……』
『ならわかるよね?叶わなくても、諦められない気持ち』
わかる…
わかりすぎるよ
好きになってはいけない人なの。
そんなことわかってる。
でもね?
大好きなんだよ。
簡単に忘れられる気持ちなら、こんなに苦しんだりしないよ
黙り込んだ私を見て、杉浦くんは一瞬悲しそうな顔をした後、微笑んだ。
『好きだよ、芽依ちゃん。諦めないから』
ニコッと最高の笑顔を浮かべて、杉浦くんは屋上を去った。
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「試合だよ!」
警戒する私と、ニコニコする杉浦くんにみなみが叫んだ。
「行こうか、芽依ちゃん」
杉浦くんの差し出された手を無視して、私は歩き出した。
「彼氏としか手は繋がないの!」
真っ赤な私に、後ろの杉浦くんがクスッて笑ったのがわかった。
「……純粋なんだね」
ぜ、絶対バカにされてるー!
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