my sweet devil


カチコチ


カチコチ



静かな部屋に、時計の音だけが響き渡る。



チラチラ


あっちゃんをチラ見してみても、勉強に集中してるあっちゃんは気付きもしない。



てゆーか、てゆーかね……!


こんな状況で、集中できるわけないじゃない!


私の部屋の、あまり大きくない机に二人並んで座る。



あっちゃんの体温は近くに感じるし、


破裂しそうな心臓の音があっちゃんに伝わっちゃうかも……!



はぁ、なんか、私さらにバカになってく気がするよ……



こんなに、あっちゃんでいっぱいになるなんて。




「眠いの?」


不意に話しかけられて、ビクッと体が動く。


確かに、頭を抱えて唸る私は頑張って頭を起こそうとしているように見えるかも知れない。



「ちょっと、ね…」


まさかあっちゃんにドキドキしすぎて勉強に集中できません!なんて言えないし…



「はぁ。教えてやるから。だから頑張って勉強しろ」


あっちゃん、呆れてる……


でも元はと言えば、カッコよすぎるあっちゃんが悪いんだから!


仕方のないところに怒りをぶつけて、開いていた数学の教科書に向き合ってみる。



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