my sweet devil

「？？？」


なにこれ？


こんなの、授業でやったっけ？



「わかんねーの？」


「う、……はい」



絶対バカにされる。


なんでこんなのわかんねーんだって。


……そう思ってたのに。



「これは……、ここでxを代入したらいい。………ほら」


あっちゃんは私のノートの上にスラスラと数式を書いていく。


答えを見てみると……


正解。



「あっちゃん、すごいっ」


「ん。芽依もやればできるよ。この問題やってみて？同じようにすればできるから」



あっちゃんに指された問題。


今までの私なら、やる前に絶対無理って諦めてたような問題だ。



でも。


『芽依もやればできるよ』


あっちゃんのさりげない言葉が、私に自信をくれた。




「……できたっ！」


「ん、正解。」


初めて、かも知れない……


勉強を楽しいと思ったの。


私にもできるかもって思ったの。



「よくできました」


あっちゃんは微笑んで、頭を撫でる。



些細なことだけど


たった一問解けただけなんだけど。



あっちゃんのアドバイスで解けた。


それが、私にとってはすごく大きいことなんだ。



*