my sweet devil


「お疲れ様です!」


部活が終わって、部室に戻る者、体育館に残って自主練をする者。


俺はもちろん……



「すみません、帰ります!」



芽依が待ってる。


芽依を待たせたくないってのもあるけど、


少しでも一緒に過ごす時間を作りたい。



俺が気付かないとでも思った?


芽依の下手な嘘に。




何があったのかなんてわからないし、あの爽やか男のことで悩んでるなんて言われたらへこみまくるけど。


元気のない芽依の近くにいたいから。


少しでも、芽依の心に入れるのなら、俺は……




「キャーー!!!」


「……っ?!」



突如、辺りに響いた悲鳴


その時、女子更衣室からシャツを羽織っただけの岡田さんが出てきた。



「岡田さん?!」


「あ、篤志くん……っ」



泣きながら俺に抱きついてきた岡田さんは震えている。



「窓からっ、……男の人が……っ」


覗きか……っ



俺は震える岡田さんの肩を抱き寄せた。



「大丈夫だから……もう怖くないから……」


もし覗きをされたのが芽依だったら?


………俺はたぶんソイツを殴り殺してる。



そんなことを考えていたら


かぶったんだ。


泣く岡田さんと、元気のない芽依が……



*
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