my sweet devil


「よかった、篤志くんがいてくれて」


あの後結局、怖がる岡田さんを家まで送ってきた。


家で待つ芽依が気がかりだったけど、放っておけなかったんだ。



「……じゃ、俺帰ります」


帰ろうとした俺の裾を、岡田さんが掴んだ。



「明日からも……送って、ほしいな」


その手は震えていて。


また、芽依の泣き顔が頭にちらついた。



「……いいですよ」


岡田さんは嬉しそうに笑うと家の中に入った。



………芽依が待ってる。


俺は全速力で走りだした。





























家に着くと、芽依の部屋に灯りがついているのが見えた。


……一人で勉強してるのか?


芽依




バタン、と大きな音を立てて家に入るとリビングから母親の声がした。


「あっちゃん、おかえり。て、あっちゃん?!」


その声を無視して芽依の部屋へ向かう。



芽依



芽依




「芽依、ごめ……っ」


勢いよくドアを開けると、机に突っ伏して寝ている芽依の姿があった。


「寝てんじゃ、ねーよ……」


ふっと笑うと、芽依の傍に一歩一歩足を進める。



芽依



「好きだ」


初めて、口に出した瞬間


涙が出そうになった。



「好きなんだ、芽依……」



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