my sweet devil
devil5#溢れた気持ち
○芽依○
バタン
自分の部屋の扉を思い切り閉めると、そのままドアにもたれて座り込んだ。
どうして、あんなこと………っ
岡田さんと一緒にいたくせに
あっちゃんの近くに行った時、岡田さんの香水の匂いがした。
香水の匂いが移るほど、近くに行ったの?
だったらどうして、あっちゃんは私にキスなんかしたの?
それに私たち、『姉弟』なのに……っ
でも、溺れそうだった。
大好きなあっちゃんの甘いキスに。
『姉弟』という、罪深さに……。
「うっ、…あ…」
ねぇ、あっちゃん
大好きだよ
どうしていいのか、わかんないよ……
その時。
コンコン
ドアを叩く音が聞こえた。
「……芽依」
あっちゃんの、声……
「……っ、う…」
声を出さないように泣き続ける。
「芽依、泣いてるんだろ?」
どうして、あっちゃんにはわかっちゃうの……?
「さっきは……ごめん。俺どうかしてた」
ドア越しに聞こえるあっちゃんの声は切なそうで辛そうで。
こんな時なのに
すごく……愛しい………
*