my sweet devil


「もう近寄らねぇから……あのことは、忘れて。………幸せになって」


「…………っ!」


「飯できてる。俺先風呂入るから、その間に食べて」



あっちゃん


どうして、『幸せになって』なんて言うの?


あんなキスされて、忘れられるはずないじゃない……!


あっちゃんがドアから離れて、階段を降りて行く音が聞こえる。



あっちゃん


離れて行かないで


お願い……



でも私にはあっちゃんを引き止める勇気なんかなくて


そのままうずくまって泣き続けた。



もう、どうなってもいい。


あっちゃんが傍に、いないなら…………







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