my sweet devil
devil6#『愛してる』
○芽依○
あれから、あっちゃんは私を徹底的に避けていた気がする。
帰ってくるのは、岡田さんを送っているからかいつも遅かったし。
帰ってきたらすぐに部屋にこもっちゃうし。
もう、私のこと嫌いになっちゃった?
あの覚悟したような瞳は、私を忘れるって意味だったの?
もう、わかんないよ……
て、亮太郎くんを見ることに決めたんだった!
こんなにあっちゃんを気にしてること、亮太郎くんにもバレてるだろうな。
また傷つけてるかな。
……でも、すぐには無理だよ。
10年分の想いを、捨てることなんて。
コンコン
悶々と考えていると、部屋のドアが叩かれた音がして
「芽依?」
低くて甘い、愛しい声が聞こえた。
急いでドアを開けると、久しぶりのあっちゃんの姿
声
あぁ、やっぱり私はこの人が好きなんだなって
認めざるをえないくらい、胸がギュッて苦しくなった。
「明日なんだけど」
明日
4人で遊園地に行く日
「俺、岡田さん迎えに行くから。芽依は一人で行けるよな?」
「………っ」
ねぇ、あっちゃん。
この醜い嫉妬は、どこに隠せばいい?
「大丈、夫」
「ん」
短い返事をして、あっちゃんは自分の部屋に帰って行った。
ほんとは大丈夫なんかじゃないよ
嫉妬で胸が潰れそうだよ……
*