my sweet devil
「あっちゃん?」
「………」
「ねぇ、あっちゃん!」
「あんだよ、服引っ張んなっつの」
だって、だーって。
ほんとに5分で準備して
せっかくの一緒の登校だっていうのに
さっきから喋ってんの私だけじゃん!!
「あっちゃんも何か喋ってよ〜」
「何を?」
「そんなのわかんないよ!何でもいいから…」
「今日は天気がいいですね」
「違ーう!そんなんじゃなくて!」
「じゃぁ何だよ?」
「んー、あ、あっちゃんのこと聞きたい!」
「知ってんじゃん」
「知らないよ!知らないこと、いっぱいあるもん……」
小さい頃は、何でもわかってるって
あっちゃんを一番わかってるのは私だって、自信あったのに。
今は知ってることよりも知らないことが多いんだもん……
*