my sweet devil


楽しそうに笑う子どもたち


幸せそうに手を繋ぐ恋人たち



ベンチに座って、ボーッとしながら周りを見た。


その中で、辛いのは私だけなんじゃないかって、取り残された気分になる。



二人は今、笑ってる?


結局、あっちゃんは最後まで私を見なかった。


どうして?


本当は岡田さんと二人で来たかった?


そんなの、嫌


私のいないところであっちゃんが笑ってるのが寂しい


なんて醜い嫉妬



「……お待たせ」


目を冷やすといいよ、と亮太郎くんは冷たい飲み物を私にくれた。



「30分待ちだって」


30分も、二人きり


きっと、岡田さんは満面の笑みで帰ってくるんだろうな。



「……それにしても。岡田も汚いことするよな。」


「え……?」


岡田さんが?汚い?



「アイツと自分が仲いいところを見せ付けるために、俺ら誘うなんて」


え……?


「なんで、そんなことわかるの……?」


「遊園地なんて二人で来りゃいいじゃん。何がダブルデートだよ」


「………っ」



はぁ、とため息を吐く亮太郎くんの横で、私は回るジェットコースターを見た。


「…それだけ、あっちゃんが好きってことだよね」



好きな人を手に入れるためならどんなに汚いこともできる。


私はその勇気が欲しかった。



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