my sweet devil


「なぁ、芽依。ここ出てデートしない?」


確かに


岡田さんに見つからないためにはそれがいいかも知れない。



でもどうしても


「観覧車だけ、乗りたい…」


夢だったの。


あっちゃんと二人で観覧車に乗って、キスをする。


『恋人』じゃないと、できないから。



「あぁ、いいよ」


あっちゃんの瞳は驚くほど優しかった。










「いってらっしゃーい」


笑顔で手を振る係員さんに適当に会釈して


向かい合わせに座ったあっちゃんをチラチラ見る。


……緊張する……



こうやって見てみると、あっちゃんはやっぱりすごくカッコいい


整った顔立ち


柔らかい髪


長い指に、長い足



景色を見つめる横顔はすごく綺麗で


『触りたい』


そんな気持ちを必死で堪える。



「そんなに見つめないでくれる?恥ずかしいから」


「……っ、あ…」


バレてたんだっ!


一気に真っ赤になる私。



しかも『触りたい』なんて思ってたから尚更


私ってエッチなのかな?



は、恥ずかしい……



「芽依?芽依さーん」


気付けば目の前にあっちゃんのドアップ


ち、近いってば……



*
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