my sweet devil
「別に、言うほどのことねーよ」
「バスケ……レギュラーになったんでしょ?」
「あ?あぁ、……それが?」
「それが?じゃなくって!!」
本当はあっちゃんの口から、一番に聞きたかったのに
教えてくれたのはバスケ部のマネージャーをしているクラスメートの岡田さんだった。
「なんで、教えてくんなかったの?」
「…別に、教えるほどのことでもねーし」
なんで?
すごいじゃん、まだ1年なのにレギュラーなんて。
岡田さんがすごく嬉しそうに言ってたんだよ?
“篤志くんがねー?”って。
たぶん、岡田さんはあっちゃんのこと好きなんだろうな。
あっちゃんを名前で呼ばないで。
私が知らないあっちゃんを見ないで。
頭に浮かんでくるのは醜い感情ばかりだった。
*