my sweet devil



「別に、言うほどのことねーよ」


「バスケ……レギュラーになったんでしょ?」


「あ?あぁ、……それが?」


「それが?じゃなくって!!」



本当はあっちゃんの口から、一番に聞きたかったのに


教えてくれたのはバスケ部のマネージャーをしているクラスメートの岡田さんだった。



「なんで、教えてくんなかったの?」


「…別に、教えるほどのことでもねーし」



なんで?


すごいじゃん、まだ1年なのにレギュラーなんて。


岡田さんがすごく嬉しそうに言ってたんだよ?



“篤志くんがねー?”って。


たぶん、岡田さんはあっちゃんのこと好きなんだろうな。



あっちゃんを名前で呼ばないで。


私が知らないあっちゃんを見ないで。



頭に浮かんでくるのは醜い感情ばかりだった。







*
< 9 / 134 >

この作品をシェア

pagetop