遊川さんは今日も最強
「網目」
「は、はい」
「女の子に乱暴なことするのはやめなさい」
「すいません」
しかも叱られた。
でも遊川さんだって今俺に同じことしてるじゃん。
「……違うか。人の事放っておいて、他の女にあんなことするのやめなさい」
「はい……はい?」
聞き返そうと顔を上げると、遊川さんの顔は、心なしか赤く染まっていた。
「さっきの続き、ちゃんと聞かせなさいよ」
脳天がかち割られそうな衝撃をうけ、俺は彼女を凝視する。
「さ、さっきの続きって」
俺が壁ドンされてるこの逆転状態で?
「だ、だから俺は遊川さんが」
「うん」
「す、すっ」
後一声。
なのに、クスクスという笑い声に気づいて周りを見ると、いつの間にか他の編集部の面々が興味津々でこっちを見ている。
こんなトコで言えねぇよ!
「と、とりあえず、遊川さんも俺以外にこんな態度とらないでください」
足を指さすと彼女は仏頂面になり足を下ろす。
「だから。つまり……今晩空いてますか」
「うん?」
「そこで話します。だから仕事片付けましょう」
彼女の背中を押し、編集部に押し込む。
彼女は不満そうにため息をつくと、机の一角を勢い良く叩いた。
「仕事するよ。根性なし」
「酷い」
「だってそうでしょ。ったく、ちょっと格好良かったと思ったら……」
ふくれっ面でブツブツ言う遊川さんは、卑怯なくらいカワイイから。
遊川さんは最強だ。
俺はこの人に敵う気がしない。
【Fin.】
「は、はい」
「女の子に乱暴なことするのはやめなさい」
「すいません」
しかも叱られた。
でも遊川さんだって今俺に同じことしてるじゃん。
「……違うか。人の事放っておいて、他の女にあんなことするのやめなさい」
「はい……はい?」
聞き返そうと顔を上げると、遊川さんの顔は、心なしか赤く染まっていた。
「さっきの続き、ちゃんと聞かせなさいよ」
脳天がかち割られそうな衝撃をうけ、俺は彼女を凝視する。
「さ、さっきの続きって」
俺が壁ドンされてるこの逆転状態で?
「だ、だから俺は遊川さんが」
「うん」
「す、すっ」
後一声。
なのに、クスクスという笑い声に気づいて周りを見ると、いつの間にか他の編集部の面々が興味津々でこっちを見ている。
こんなトコで言えねぇよ!
「と、とりあえず、遊川さんも俺以外にこんな態度とらないでください」
足を指さすと彼女は仏頂面になり足を下ろす。
「だから。つまり……今晩空いてますか」
「うん?」
「そこで話します。だから仕事片付けましょう」
彼女の背中を押し、編集部に押し込む。
彼女は不満そうにため息をつくと、机の一角を勢い良く叩いた。
「仕事するよ。根性なし」
「酷い」
「だってそうでしょ。ったく、ちょっと格好良かったと思ったら……」
ふくれっ面でブツブツ言う遊川さんは、卑怯なくらいカワイイから。
遊川さんは最強だ。
俺はこの人に敵う気がしない。
【Fin.】