遊川さんは今日も最強
「ほら。しっかりやんなさいよ」

「……あ、ありがとうございます」

キレイに絡まりを取り除いたスリッパ生地を俺に手渡す。

そして俺の礼にフッと微笑みを返して自分の仕事へと戻った。

格好いい。
男なら女が放っておかないよ、遊川さん。

つか、俺も放っておけないよ。
やっぱり好きだ、遊川さん。


悩みまくる俺の携帯電話に一通のメールが届く。

【お昼一緒に食べよ。相談に乗るよー!】

一連のやりとりを横目で眺め、完全に面白がっている大田からだ。
隣の席なんだから口で言えよ。

しかし、女心のわからない俺にとって、相談できる相手がいるのはありがたい。

【サンキュ】

返したメールに、大田はニヤニヤ笑い返していた。
ああもう、同僚にまで頭が上がらない。
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