NA・NA・MI

学校が終わるとアタシは駅に向かった。


洋介は来るのだろうか?


アタシは洋介が先に来ていて、アタシが帰ってしまったと思わないようにメールをする。



To.中田洋介
今向かってるよ



返事はない…。


駅に着くと、そこに洋介の姿は無かった。


電車が来る度、洋介の姿を探しては電車を見送る。



「アタシは好きじゃない」



おまじないのように呟いた。


そして日が暮れかけた時、電車から降りる人達の中に紛れて、洋介の姿が見えたんだ。



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