NA・NA・MI
「ねぇねぇ、前から思ってたんだけど、何でお洒落しないの?」
クラスの中でも派手な、ヨッコが話しかけて来た。
「別に…」
友達が居ないアタシは、どう接すればいいのか分からない。
「ちょっといじっていい?」
ヨッコはアタシの返事を聞かないで、自分の席の机の中から大量の化粧道具を持って来た。
ヨッコはアタシの顔を描いていく。
目も鼻も口も、丁寧に丁寧にアタシの顔を作っていった。
そして最後にアタシの髪をほどき、霧吹きで前髪を濡らして横に流し、スプレーで固めた。