NA・NA・MI
「出来た!ほら、見てみて。絶対こっちの方がいいよ」
アタシはヨッコに渡された手鏡を覗いた。
綺麗……。
アタシは鏡の中のアタシに見とれる。
「ね?私、卒業したらヘアメークの学校に行って、芸能人のスタイリストになるのが夢なんだ!なれるかな…」
ヨッコは凄くキラキラした目をしている。
E組だけど、こいつは世間で言う負け犬じゃない。
「なれるよ」
アタシは思わず言った。
「本当!?じゃあ、毎日練習させて!」
ヨッコは手を合わせてアタシを拝んだ。