NA・NA・MI

「凄い!簡単なんだね」



アタシは小野田に出された問題をスラスラ解き、今までにない手応えに上機嫌になった。



「じゃあ、僕はこの辺で帰りますよ」


「ありがとう、小野田…。あのさ、これからバイトの無い日は毎日教えてくれない?」



小野田は一瞬黙って、少し笑いながら言った。



「いいですよ。放課後、1人で待っていて下さい」


「ヨッコも一緒じゃダメ?」


「ダメです。ではさよなら」



小野田が出て行くと、真っ暗になっていた事に気付いた。


ヤバい、早く帰んなきゃ。


ヨッコとの勉強は明日断ろう。

小野田とやっている方が効率がいい。


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