NA・NA・MI
チクショウ、菜実より下じゃないか!
アタシは軽く舌打ちをした。
「すげぇ、奈菜のヤツ、菜実ちゃんと1点差じゃん!」
気付くと野次馬が山のように集まって来た。
見ろ!
アタシだってやれば出来るんだ。
野次馬の中に紛れて、菜実の姿を見付けた。
怒ってる、怒ってる。
菜実と目が合うとアタシは笑って見せた。
「でも1点差って…小野田みたいだな」
「それは言わない方がいいよ?」
うんうん
アイツはキレると気持ち悪さが倍増するからな。
そういえば小野田のヤツ、名前が無かったな。