NA・NA・MI
ババァは父親の住所を渡し、アタシは綺麗に化粧をしてそこへと向かった。
父親はアイドル好きで情の無い人間だ。
小汚ない格好をして行ったら、アタシを哀れむ所か門前払いされるだろう。
可愛い奴には惜しみ無く投資をする。
そういう人間だ…。
菜実は居るのだろうか?
お金を要求するアタシを見て鼻で笑うだろう。
悔しい!
でも、これはもう最終手段なんだ。
こうしないと、アタシの夢は潰れるんだ…。
気乗りしない事をしなければいけない時、時間は早く流れる。
父親や菜実達が住む、でかいマンションが目の前に立っていた。