NA・NA・MI

「いいよ、入りなさい」



ドアの鍵が開く音が聞こえると、アタシは中に入った。



「お邪魔します」



アタシは父親の後を着いて行き、リビングに通される。



「お風呂に入ってたの?」



夕方からガウンを羽織っている父親に聞く。



「そんな事どうでもいいだろ?!」



急に怒鳴る父親にアタシはビクンとなった。

ヤバい、怒ってる…。機嫌取らなきゃ。



「あ…あゆみさんは今日は居ないの?凄く良い人だって菜実に聞いたから」



アタシは笑顔を作り、あゆみさんを使って父親に媚びを売る。


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