NA・NA・MI
でも…父親の顔色が更に曇って行くのが、手に取るように分かった。
「うちの事はいいから…用件を早く言いなさい…!」
言い辛い…。
でも言わないと……。
アタシは目を瞑って下を向き、勢いに任せて言った。
「アタシ短大に行きたくて、バイトして、でも行けないから援助お願いします!!」
アタシはそっと目を開けて父親を見ると、父親はキョトンとした顔をしていた…。
チクショ、上手く言えなかった。
「金か?」
「はいっ」
アタシは今人生の別れ道に立たされている。
緊張して声が裏返った。