NA・NA・MI
「ただいま~」
玄関を開けて中に入ろうとするヨッコの目を盗んで、アタシは犬に唾をかけた。
「奈菜ちゃん?」
「あ、ごめんごめん」
アタシは家の中に入ると、ヨッコの部屋に連れて行かれた。
ヨッコの部屋は当たり前のようにアタシの部屋より広い。
薄型の30インチはあるだろう液晶テレビや、ノートパソコンや、うちの家に無いような物も置いてある。
アタシは勝手にベッドの上に腰をかけた。
「ねぇ、ヨッコのお父さんてさ、何やってんの?」
「デザイナーだよ。ほら、これ…」