NA・NA・MI
ヨッコの学校が始まる迄、アタシとヨッコは遊び回った。
昼は寝て、夜は歌舞伎町のネオンの中に吸い寄せられるように、アタシ達は通った。
勿論、スタイリストはヨッコの役目。
「ねぇ、今日はこれ貸してよ?」
アタシは今流行っている、ヨッコのお気に入りの服を掴んで言った。
「うん、いいよ。じゃあ化粧するからこっちに来て」
夜の街を歩くのは楽しい。
アタシが住んでいた田舎とは違って、常に人が居るんだ。
アタシは眠らない街の中に溶け込んで、現実を忘れる。
まるで夢の世界だ。