NA・NA・MI
裕福な環境の中で育ったヨッコには、アタシがお金が無くて学校に行けないなんて、想像も出来ないだろうな。
でもアタシ、アンタより金持ちになるよ。
「じゃあ、東京で何するの?」
「キャバ嬢!だからさ、スタイリストを頼むよ」
「うん!私が奈菜ちゃんをナンバーワンにしてあげる!!」
夜の輝くネオンの中で、アタシとヨッコの頭の中は麻痺している。
分かってるよ。
ここに居ると強い意思が無い限り、階段を転げ落ちるように落ちていく。
甘い誘惑があちこちに転がっているんだ。
落ちていく恐怖とスリルの中できっとアタシは壊れていく…。