NA・NA・MI
「うん。じゃあ、ナミさんで」
アタシは服からドレスに着替えると、鏡の中のアタシを見た。
もしアタシがこの世界の中でトップになって、雑誌で取り上げられてもアタシってバレない。
あのテレビに出ていたキャバ嬢みたいに、テレビに出たとしてもナミと名乗れば、近所の人もナミを慕っている奴らも、菜実をキャバ嬢だと思うんだ。
K大からキャバ嬢のイメージに変わるんだよ。
アタシが売れなくても、売れてないのはアタシじゃない。
ナミなんだ。
菜実がいない所で、アタシは菜実をやっつけてやる!
アタシは鏡に映るアタシの顔に、笑顔でパンチした。