NA・NA・MI
「あぁ」
カリンと客はアタシの姿を確認すると、アタシを無視して話しに盛り上がっている。
なんだこれは?
アタシは話しに入れなくて、テーブル周りの仕事をせかせかとやった。
少しすると、カリンは他のテーブルから指名が入り、カリンが居ないアタシと客の間に重い沈黙が襲う。
これって喋らなきゃダメだよな?
「アタシまだ入って1週間なんですけど…」
そう言いかけた時、客が言った。
「君は喋らなくていいよ」
「えっ?」
「君みたいな子は飾っておくだけでいいんだよ。喋ってもどうせ楽しくないんだから」