NA・NA・MI
アタシが部屋に戻ると、ハヤトはもう起きていて、ボーッとしていた。
「起きてたんだ?」
「うん。誰か来てたの…?」
「ちょっと、友達がね」
「ふーん…」
ハヤトはそう言うと、スーツを着始めた。
「もう行くの…?」
「うん。シャツだけでも着替えたいし」
「うん。今日終わったら行こうかな」
私はそう言ってハヤトにとびきりの笑顔を見せた。
「いや、いいよ。じゃあ…」
そう言って出て行くハヤトの背中が、昔の男達を思い出させた。
『お前なんかいらない』
そう言ってる…。
そしてアタシはヨッコに急いでメールをしたけど、ヨッコからの返事は無かった…。