NA・NA・MI
キャバ嬢の仕事と寮の往復だけの生活になったアタシは、相変わらずジョニーからの指名だけで、そんな日、あるフリーの若い団体客に付いた。
「ナミさんです」
「失礼しまーす」
アタシはいつものように席に座ると、若者達はアタシに釘付けだった。
「何?」
アタシがそう一言発すると、団体客の内の1人が口を開いた。
「橘さん…?何やってるの、こんな所で」
アタシはその言葉を聞いた瞬間、顔がにやけた。
こいつら菜実の知り合いだ。
菜実のイメージを滅茶苦茶にする絶好のチャンスを、アタシは逃さないよ。