NA・NA・MI
「……。ドンペリ白で宜しいですか?」
唖然とする女の子達と、すっかり白けてしまった客を見て、ボーイは確認した。
「いーよ、持って来て」
そう言ったのは高杉だった。
あっさりと言いやがって。
こんな事ならドンペリゴールドでも頼んでやれば良かったよ。
アタシは小さく舌打ちをした。
少しするとドンペリ白がやって来て、どんよりとした空気の中で乾杯した。
そんな中、アタシだけはウキウキしている。
明日、菜実が大学に行ったら…。
そう思うだけで顔がにやけるんだ。
アタシはこの勝利の美酒に浸った。