NA・NA・MI
「あっ、そうか…。あの家からじゃあ、交通の便が悪いもんね。学校迄どれくらい時間かかるの?」
「1時間くらい…。菜実は?」
「30分くらいかな」
「……」
アタシは絶句した。
距離的には余り変わらないのに、どういう事だ……?
「うちは一本で行けるし、駅迄歩いて1分くらいだから。明日から私が奈菜の分のお弁当も作って来るよ。今、料理を特訓中だから」
菜実は笑って言ってたけど、アタシは笑えなかった。
何て恵まれている環境にいるんだ
まっ、この高校に誘ったのはアタシなんだけど。
昼飯代が浮くから許すとしよう。