NA・NA・MI

その時ボーイが来た。



「大変申し訳ございません。大丈夫ですか?」



ボーイが客におしぼりを渡すと、客は言った。



「どういう教育をしているんだ!場内取り消し。もっとちゃんと仕事が出来る子にして!」


「はい。本当に申し訳ございません」



ボーイがアタシの腕を引っ張り、連れて行かれそうになった時、アタシは菜実の方をチラっと見た。


あの頃みたいに笑ってたよ。


菜実の優しさなんて、ただの演技だ。


アタシは店長の所に連れて行かれ、説教をくらった。



「又やったの?悪いけどクビにするよ?」


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