NA・NA・MI

「えっ?」


「えっ?じゃなくて。この前も言ったよね?」


「だって今回はあのオヤジが触って来てっ」


「知ってるよ、見てたから」


「何で止めてくれなかったんですか?!」


「あれくらい上手く交わせないんじゃ、水商売なんて辞めた方がいいよ。あれだけマリンに指名のチャンスを貰って、同じ顔をしてるのに何で指名が取れないの?向いてないよ」



アタシは肩を落とした…。


アタシにはこの仕事しかないんだ。


頭が悪くて男も苦手だけど、この仕事しかないんだよ。


又あのババァと一緒に暮らして時給700円のバイトをするなんて、死んでも嫌なんだ。


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