NA・NA・MI

「…何でここにいるんだよ?」


「奈菜の事待ってたのよ。寒いから早く入れてくんない?」


「……」



アタシが部屋の鍵を開けると、菜実は何も言わず勝手に中に入り込んだ。



「へぇー、凄い所に住んでるのね。相変わらず臭うし。よくこんな所に住めるわね」


「…そんな事を言う為にわざわざここに来たの?」


「違うわよ」



菜実はそう言って、冷蔵庫の中に入っているオレンジジュースを取り出して、飲みながら言った。



「アンタ、クビ切られそうなんだって?」



何でコイツがそんな事知ってるんだよ…?


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