NA・NA・MI
―翌日
ハヤトは約束通りやって来た。
「失礼しまーす」
アタシは笑顔でハヤトの隣に座る。
ハヤトは以前のヨレヨレスーツなんかじゃなくて、まだ真新しいだろう、ピシッとしたスーツを着ていて、サラサラの髪も以前みたいにプリンなんかじゃない。
「久し振り。会いたかったよ」
思いがけないハヤトからの言葉に、アタシはドキンとした。
「アタシも」
ハヤトは少し笑って言った。
「好きなの飲んで」
「うん」
アタシはいつものようにオレンジジュースを頼むと、ハヤトに言った。