NA・NA・MI

「どうやって?」


「簡単だよ。僕がラストまでのセット料金と君の指名料を払えばいいんだ」


「でもアタシは用事があるんだ。上がらせて貰っても、おじさんには付き合わないよ?」


「いいよ。でも、名刺と携帯番号だけ教えて」



アタシは名刺の裏に携帯番号を書いて渡した。



「おじさんの名前は?」


「秘密だよ。おじさんでいいから」


「ふーん」



アタシは金持ちそうな客のお陰で、指名も付けて貰い、帰れる事になった。


何てラッキーなんだ。


一旦寮に帰り、押入れの中からありったけの金を財布に入れると、区役所通りへと向かった。


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