NA・NA・MI
「ううん、アタシは平気だよ」
アタシはとびきりの笑顔で答えた。
「ごめんな。俺、一回向こうの席に行かないと…」
「すぐ…戻って来てくれる?」
「うん、なるべく早く戻るから」
ハヤトはそう言うと、アタシの席から見えない席へと消えて行った……。
せっかくのクリスマスイブなのに、何処の誰だか分からない女とハヤトを共有しなきゃいけないなんて!!
チクショ、どんな女だよ!?
アタシはアスティを掴み、そのままビンに口をつけ、一気に飲み干した。
さっきまでのほろ酔い気分が一気に抜け、酔いが回り始める。