NA・NA・MI

その時携帯が鳴り、アタシはビックリして心臓が止まりそうになった。


―着信 ハヤト



「はい…」


「あ、ナミちゃん?昨日はありがとね」


「うん…」


「どうした?」


「売り掛けのレシートが入ってたんだけど……」


「あっ、あれ、今月中に払ってくれれば大丈夫だから」


「もし、払えなかったら?」



アタシの言葉にハヤトは少し黙り込み、重い声で答えた。



「…大変な事になるよ。でも、大丈夫だから。その時は俺が何とかするよ」


「大丈夫だよ」



払えないなんてアタシが言える訳無いだろ?



「でも…無理は絶対にするなよ?」


「うん」


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