NA・NA・MI
「おじさんこそ、あの後どうしたの?」
アタシは昨日のキチガイになったアタシを思い出したくなくて、逆におじさんに質問をした。
「1人もんだから真っ直ぐ家に帰ったよ」
「ふーん…」
「今日も出てるの?」
「うん」
「じゃあ、行くよ」
「同情ならいらないよ」
アタシはそう言って一方的に電話を切った。
アタシは今日からアタシを買ってくれる男を探さなきゃいけないんだ。
その為には色んな客に付けて貰わなきゃな。
指名なんかされている暇は無いんだ。
アタシはいつもより濃い化粧をして、気合いを入れた。
間違った道だって分かってるよ。
でも前に進むしか出来ないんだ。