NA・NA・MI
「ナミさんお願いします」
ボーイに呼ばれ、アタシは震えた脚が縺れないように、必死に歩いた。
「あそこのテーブル指名ね。良かったじゃん。クリスマスに指名無かったのナミさんだけだったから」
「フン!」
店は大入りでボーイが回りきれないから、アタシは1人でテーブルに向かい、席に座る。
「失礼します」
「よっ」
顔を見ると昨日のおじさんだった。
「本当に来たんだ?」
「うん」
コイツの顔を見た瞬間、一気に気が抜けた。
「どうした?」