NA・NA・MI
小野田はそう言うと、相変わらずキモい笑顔を振りかざして出て行った。
アタシは玄関のドアに枕を投げつける。
ブスになるなんて冗談じゃない!
この顔はアタシの唯一の取り柄なんだ。
アタシは鏡に顔を映して、ウットリした。
そしてフと思い出した。
アタシ、ここを出て行かないといけないんだ。
店を辞めて、プーになるのを忘れてたよ。
アタシは押し入れの中にある金を数えた。
菜実が辞めて一気に増えた指名のお陰で急激に上がった給料と、適当に寝たオヤジ達のお金で約500万円あった。