NA・NA・MI
アタシは500万円と服や化粧品を適当に鞄の中に入れると、カーテンを少しだけ開けて外を眺めた。
やっぱり居るんだ…。
菜実のファンって奴が。
ちくしょう!
どうすればいいんだ?
大体アタシは菜実じゃないっつーの!
出勤の時はただ邪魔だと思っていたけど、出て行こうと思うと邪魔所の話しじゃない。
アタシは仕方なくタクシー会社に電話をし、迎えに来て貰うと、ファン達を押し退けてタクシーに乗り込んだ。
「六本木まで急いで」
「お客さん、困るよ…。この状況を話してくれないと」
「仕方ないだろ?アタシだって被害者なんだ!さっさと出せよ!!」