NA・NA・MI
アタシはタクシーの運転席を軽く蹴った。
「はいはい、六本木ね」
タクシーの運転手は嫌面をしながら車を走らせる。
アタシは今日から歌舞伎町を離れるんだ。
歌舞伎町なんて下品な所は元々アタシには似合わない。
アタシはアタシに合った六本木で働くよ。
六本木に着くとタクシーの運転手に金を払って、適当な所で降りた。
うん。
ここはやっぱり歌舞伎町より品がある。
後は店と住む所を探すんだ。
アタシが歩くと、街のオヤジ達もクラブの呼び込みの兄ちゃんも、アタシに釘付けだ。