NA・NA・MI
アタシが消えた時
「佐藤奈菜さん、どうぞ」
懐かしいアタシの名前を呼ばれ、診療室へと入ると医者が言った。
「えっと…何処が気になりますか?」
「全部直して下さい」
「全部?失礼だけど貴女は、直す必要なんてありませんよ?」
「沢山あるんだよ」
「じゃあ、何処をどんな風に直して欲しいですか?」
「目は小さく。鼻をダンゴっ鼻に。そうすると口は大きい方がいい?」
「……」
絶句する医者に向かってアタシは言った。
「綺麗になる整形は許されて、ブスになる整形は許されないの?!」