NA・NA・MI

「そんな事はないですけど…」


「じゃあ、さっさとやっちゃってよ！これだけ払うからさぁ！！」



アタシは鞄の中に入れておいた500万から一掴み、生活費分の金を抜いて、残りの諭吉達を医者の机の上に投げつけた。



「分かりました…。ではどんな顔にしたいか、シュミレーションをしてみましょう」



困り顔で医者は言い、アタシはノリノリだった。



これで菜実と比べられる事も無いし、『顔だけ』だなんて屈辱的な事を言われる事もなければ、アタシがもし人混みでオナラをしても、性格が悪くても、諦めの目で見て貰えるんだ。