NA・NA・MI

そして、この家を出る日がやって来た。



「じゃあな、小野田」


「はい。又…」


「もう来る事はないよ」


「いえ、貴女は必ず戻って来ますよ」



そう言って小野田は笑った。


アタシは一歩、家から踏み出した。

一瞬ヒヤリと冷たい風が吹く。


まず、バイトを見付けるか。


アタシはコンビニに立ち寄り、就職誌のドームを取り、おにぎり1つとお茶を買った。


店員はアタシの顔をマトモに見ない。


アタシは菜実に間違えられなかった事で、テンションが一気に上がり、舞い上がる。


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